Ryu-suiの温泉紹介

長野県長野市在住の23歳学生、皆さんに伝えたい旅の思い出を記録しています

【三重県】榊原温泉

今回は「湯ごり」の聖地・榊原温泉について!

榊原温泉「湯元 榊原館」(公式HP)

温泉データ

 所在地  :三重県津市

 泉質 :アルカリ性単純温泉

源泉温度:約30℃

 pH   :約9.5

 その他  :枕草子の「日本三名泉」、名湯百選、日本百名湯

目次

特徴

榊原温泉は古くから「湯ごり(湯垢離)」の地として知られてきました。

湯ごりとは温泉に浸かることで身を清める行為のこと。

(ちなみに冷水で身を清める行為を水垢離、海水は潮垢離といいます)

湯ごりで温泉地と言えば、他にも熊野詣前の「湯の峰温泉」などが有名ですね。

湯の峰温泉(熊野本宮観光協会HP)

ここ、榊原温泉は京から伊勢神宮への通過点であることから、昔は伊勢神宮にお参りする前には榊原温泉で身を清めてから伊勢へと向かうのが正式な参拝とされていたこともあるようで、地元では「宮の湯」とも呼ばれていたそう。

京都➝榊原温泉伊勢神宮のルート。
現在の交通網でも京都ー榊原温泉で徒歩21時間
榊原温泉伊勢神宮で徒歩11時間...途方もない

なお、伊勢神宮では毎年6月の一週目の土曜日に榊原温泉のお湯を神宮に奉納する「献湯祭」と呼ばれる神事が行われています。

献湯祭の様子(榊原温泉振興協会公式HP)

また、榊原温泉は「三名泉」の1つとして数えられることもあります。

これは昔、榊原温泉が「七栗の湯」と呼ばれていた時代に清少納言の"枕草子"で「湯はななくりの湯有馬の湯玉造の湯」と謳われたことからきているよう(諸説あり)。

一般的に「三名泉」といえば万里集九が詩集に記載、林羅山が後に広めた「草津温泉下呂温泉有馬温泉」がメジャーなイメージがありますが、まあこの件に関してはどちらが公式というものではありませんので...

歴史

開湯の具体的な時代はわかっていないようですが、1500年も前から「榊原温泉」と呼ばれるようになるまでのこんな逸話が残っています。

昔、この温泉地一帯は「榊」が多く自生していました。第26代(450?~531?)の継体天皇の皇女の「ササゲヒメ」が斎王(天皇に代わって伊勢神宮に使えるために選ばれた未婚の皇族女性)になられたときに、その榊を伊勢神宮に献上し使われるようになったことから「榊が原」と呼ばれるようになり、転じて「榊原」となったようです。

そんな榊原温泉に大きな変化があったのは天正16年(1588年)の戦国時代。戦いで負った怪我の治療や疲れを癒す湯治がブームになり、榊原温泉も湯の神を祀る「射山神社」を一角に入れた大きな湯治場が出来たとされています。神社の境内から湧く「宮の湯」を使った湯治場は約100室からなる大規模なものだったそうで、当時は大変にぎわったそうです。

射山神社。主祭神は温泉の神様の"大己貴命"と"少彦名命"。
榊原温泉は恋の病を癒す温泉とも知られていたことから、良縁吉祥のご利益があるとも。

感想

訪れたのは2年前の8月(当時は湯ごり場であったことなど知らず、お伊勢参りの後に訪問しました)。

榊原温泉の日帰り温泉5選!2023年おすすめの入浴施設を紹介します | 取材レポート | 観光三重(かんこうみえ)

第一の感想は、「え、こんなところに温泉があるの!?」でした。まわりは畑に囲まれていて、歴史のある温泉地なら山に囲まれていたりするイメージがありました...

入浴させて頂いたのは「湯の庄」さん。旅館「湯元 榊原館」さんの施設の日帰り温泉です。

湯元榊原舘 湯の庄 | はた坊のふわっとしたブログ

まずシャワーを浴びると、もうぬるっとした感覚...これはもしやと期待が膨らみます。

内湯は大きい浴槽の加温された温泉と、小さい浴槽の源泉かけ流しの二つ。

(奇数日と偶数日で男女の浴槽が入れ替わるそうです)

最初に源泉かけ流しの方へ行くと、めちゃくちゃぬるい!!実は榊原温泉の源泉は約30℃と低めの泉温。驚きましたが慣れてくると心地よくリラックスして入れるように。そしてすごいとろとろした感じ!さすがアルカリ性単純温泉...

湯の庄さんの内湯(手前が源泉、奥が加温)。
源泉の方は足を伸ばして丁度いい大きさの浴槽。

しばらくして少し体が冷えを覚えるようになると大きい浴槽へ移動。こちらも湯触り◎。そして露天風呂もあり、こちらも加温されているようでしたが、お湯は同じく最高です。また外の自然も心地よい...。

湯の庄さんの露天風呂。最高の温泉に和やかな自然が完璧。

自分が訪れたときはコロナ禍の影響で時間制限があり無限に入れなかったのは残念でしたが、それでもなんだかんだで5回くらいは温冷の交互浴をしていたと思います。

訪れたのは2年前でしたが、今でも最高の温泉体験ができたことを鮮明に覚えています。また行きたい!!

後書き

ということで榊原温泉についてでした。

今回記事にするにあたって色々調べてみて、榊原温泉の歴史の濃さにはびっくりしました。自分は初見の温泉地に行く際はなるべく前情報を持たないで行くタイプなので勉強になりました。

ほんとは先に情報をもっているといざ温泉地を訪れた際にまんべんなく見どころを回れるのかもしれませんが、同時に期待とは違う雰囲気だと少しうんざりすることもあるので、そこは人の好みですよね。

ちなみに私は基本的に温泉分析書も最初は見ないで、入浴後に確かめるタイプです。

温泉分析書は、いわば作品のネタバレのようなものだと思っているので...。

もちろん注意書きや禁忌症、適応症などを知っておくために分析書(及び別表)があるので、この楽しみ方はどちらかと言えば間違いですが、前情報なしで最高の温泉に当たった時の幸福感はなかなか味わえないもの。榊原温泉を訪れたときはまさにそうでした。

結構温泉好きの方々のお話を聞いていると、絶妙なところで様々な楽しみ方をされている方を見かけます。(人に迷惑をかけない範疇に限り)そうしたところも温泉の魅力の1つなのかなと思っています。

では今回はこの辺で。ここまで読んで下さりどうもありがとうございました!