Ryu-suiの温泉紹介

長野県長野市在住の23歳学生、皆さんに伝えたい旅の思い出を記録しています

【岐阜県】奥飛騨・高山観光

今回は、奥飛騨で過ごした昨年のゴールデンウィークを写真と共に振り返りたいと思います(温泉のネタは少なめですが何卒...)。

新穂高ロープウェイからの景色!

目次

はじめに

私は昨年のGW中、奥飛騨温泉郷の一番奥、新穂高エリアの「ホテル穂高」さんでホールのアルバイトをしていました!

朝6~10時、夕方17~22時の仕事でしたので、昼の時間は車を走らせて色々なところへ...

前回記事を書いていて、奥飛騨にはおすすめしたい観光スポットがたくさんあるなと思ったので、写真(+思い出)と共に紹介したいと思います。内容は薄めですが、もしよければ!

初日

初日は夕方から研修・初仕事なので、昼前頃に長野を出発し奥飛騨へと向かいます。

少し早めに着きそうだったので少し観光...。平湯大滝はいつ見ても迫力満点です。
(そしていつも人が少ない...もっと有名になって!!)

ちなみに引きでとると、滝になった水が川になって降りてくる写真が撮れます。
この画角も結構あり。

栃尾エリアにある荒神社へ挨拶。栃尾温泉周辺は和やかな雰囲気で落ち着きます。

栃尾エリアの洞谷にはピンクのお花が咲いています。奥には桜もちょろっと見えます。
ちなみに右側に見える「フレッシュフーズカシキ」さんでは...

 

なんと栃尾温泉の源泉が楽しめます。ただし熱いので注意!!

アルバイト先の「ホテル穂高」さん。奥には北アルプス...すごいロケーション!!

ホテルの裏手には新穂高栃尾エリアを流れる蒲田川(砂防工事中?)。
かなり迫力のある音が聞こえます。

仕事が終わりお風呂へ!内風呂は単純硫黄泉!!
めちゃくちゃ匂いが濃くてすばらしい...
(ちなみにシャンプーは高級な旅館によくある馬油。テンション上がる。)

露天風呂は単純硫黄泉と単純温泉
美味しい空気を味わいながら入る温泉はやはり最高...
仕事の疲れも癒されます...

観光

奥飛騨周辺

ここからは朝の仕事終わりからの外出タイムに出かけた旅の思い出になります!

やはり奥飛騨まで来たからには「新穂高ロープウェイ」!

新穂高方面から乗ると一度途中駅で降りることになります。

途中駅には日帰り温泉が!!
こちらも濃厚な硫黄泉でした!

目的地まで着くと...すごい迫力!!壮大です...
五月なのに雪が全然残ってます。

終着駅から登山コースになってるのかな...
少し気になりましたが装備が不十分で時間もないのでまた今度。

福地温泉朝市に行きました!
飛騨地方の食べ物やお土産が沢山!

朝市の中はこんな感じ。ちょっとレトロな雰囲気が素敵です。
奥飛騨の温泉むすめに、各都道府県用のメッセージノートも!

福地エリアの日帰り温泉石動の湯

室内はこんな感じ。食事も楽しめます。

奥飛騨の観光スポットと言えばクマ牧場
園内でクマの餌を買って、投げ与えるシステム...

動物園のような雰囲気で見てると癒されますが、
山でこの子達に遭遇したらと思うと...

平湯にも行きました!
この癒される雰囲気、本当に大好きです

飛騨古川周辺

飛騨古川に向かう際に見かけた「菅生稲荷神社」。
写真ではわかりにくいですが、めちゃくちゃでかくてつい撮ってしまいました。

こちらも途中で見かけた立派な神社。
飛騨地方はさすが木材の産地とだけあって、白山神社が多い印象です。

言わずと知れた「君の名は。」の聖地、飛騨古川の「気多若宮神社」。
飛騨古川を見下ろせるロケーションで、大きなお祭りの出発点でもあります。

飛騨古川のまつり会館。ここではユネスコ無形文化遺産
重要無形民俗文化財古川祭の歴史を見ることが出来ます。
調べてみたら本年度は昨日、一昨日に行われていたんですね...

日中はこのように絢爛豪華な神輿や屋台行列が街を通り...

夜は「起こし太鼓」と呼ばれる激しい行事などを行います。
日本でこんなに大掛かりで行うお祭りが残っているなんて...
一生に一度は見に行きたい!!

古川祭で使用する太鼓は展示されており、実際にならすこともできます。

こちらも有名な古い町並み。高山とは少し雰囲気が違います。

宮川にかかる橋。こちらも風情があります。

飛騨古川とは少し離れた場所にある飛騨神岡の「レールマウンテンバイク」。
神岡鉄道廃線を利用したアトラクションです(予約必要)。

皆さん家族かカップルで、聞けば一人で来る人はほとんどいないらしく...
自分は二人乗りの横に、スタッフの親切で「さるぼぼ君」を載せてもらいました!笑

このようなトンネルの中も自転車で走れる!めちゃくちゃ気持ちい!
(行きは下り坂なので、漕がなくても進みます。なお帰り...)

途中駅の「ひだかみおか」。
長年放置されているようですが、使われていた当時の雰囲気は感じられます。

終着(折り返し)駅の神岡鉱山前駅。
産業の衰退で廃線になってしまった神岡鉄道ですが、
今はこうして楽しめるに環境に変化していて、いいアクティビティだと感じました。

「さ、あとは帰り!がんばるぞさるぼぼ!」
ちなみに今回は「まちなかコース」を走りましたが、
他に「渓谷コース」なんてのもあるそう。多分体力ある人向けなんでしょう...。

高山周辺

高山と奥飛騨温泉郷の間には「飛騨大鍾乳洞」があります。洞窟内は少し寒い。
神秘的な空間に、ちょっとぶっ飛んだネーミングセンスも◎。

高山市街を走る「匠バス」。立派なのは外見だけでなく、車内もこだわりが満載です。
一乗り100円で、結構いろんなところに行けちゃいます。
市営の駐車場を使う方はバスの乗車券で割引も受けられます。

昼は朴葉みそに飛騨牛の定食。当たり前にうますぎます。

高山の古い町並み。GWとだけあって人が多い!

飛騨の里。合掌造りの家が見られるほか、昔の遊びの体験などもたのしめます。
海外の方も結構いらっしゃった印象。

観光雑誌に載ってたので立ち寄った「ミュージアム」。
久々に美術館に行きましたが、結構目を引く展示品が多かったです。

館内の構造も面白い!

帰りがけに町の神事に出くわしました。
高山は有名なお祭りが沢山あり、町のみならず文化も大切にしているのが感じられます。
そういうところも大好きなところの1つです。

お子様たちも神事に加わっています。

獅子舞が家に入っていく...!!!

一日オフの日には高山の銭湯「鷹の湯」へ。
こちらは昔ながらの銭湯の雰囲気もありつつ、綺麗なサウナまで完備されていて、
温泉ではありませんがとても気に入っている場所の1つ。

帰りに通った栃尾エリアの洞谷。
ライトアップされているのは何気に初めて見たので感動しました。

正面から!この景色を独り占めできる感動...

最終日

最後はアルバイト仲間で写真!一週間ほどでしたがめっちゃ仲良くなりました!

帰りはゆっくりと...白骨温泉

後書き

振り返りは以上になります。思ったより長くなった...。

思い返すと、よく昼休憩の時間でこれだけ回ったなと思います。後悔なく気になるところ全て回りました。あと気になるところは「新穂高ロープウェイ 星空観賞便」と「冬の青だる」ですかね。でもそれらは季節限定なのでまた今度。

それにしても海外の方が多い!聞けば高山は海外でも有名な観光スポットだそうで...実はアルバイトの接客でも海外の方の対応をすることが何度かあり、ちょっと大変でした。

ちなみに自分が初めて高山に訪れたのは大学一年生の頃。まだ温泉に興味をもっていないころに「氷菓」という作品が好きな友達に誘われて訪れたのがきっかけでした。

それから高山のことはずっと好きです。温泉のみならず神社、文化、食、町並みなど高山の雰囲気全てが好きで、訪れるたびに帰る場所...って気がしてきます。

まあ、今回はこんな感じで。次回からはまた温泉に焦点を当てて記事にしようと思います。

長くなって申し訳ありませんでしたが、ここまで目を通してくださりありがとうございました!

 

【岐阜県】奥飛騨温泉郷

今回は露天風呂の天国・岐阜県奥飛騨温泉郷について!

奥飛騨温泉郷新穂高の湯」

自分は昨年のGW中に、ホテルの短期バイトで奥飛騨を沢山堪能してきました!

今回は少しでもそこで感じた魅力を伝えられればと思います!

目次

温泉データ

所在地 :岐阜県高山市

 泉質 :単純温泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫黄泉

源泉温度:平均60℃(27~98℃)

 pH   :6~7.5℃

その他 :露天風呂数日本一、国民保養温泉地、日本百名湯(福地温泉)

特徴

奥飛騨温泉郷岐阜県の北東部、中部山岳国立公園内の「平湯温泉」、「福地温泉」、「新平湯温泉」、「栃尾温泉」、「新穂高温泉」の五つの温泉の総称になります。

奥飛騨温泉郷マップ(高山市HP)

3000m級の山々がそびえる北アルプスの麓に位置し、観光客のみならず登山客にスキー客にも親しまれている奥飛騨温泉郷。他にも高山の観光や上高地へのアクセスも◎。「山岳、森林、渓流、滝」など沢山の自然に囲まれ、施設もそれに調和した雰囲気の施設が多い温泉地なので、個人的には時間を忘れてのんびりゆったりと楽しむのがお勧めです。

奥飛騨温泉郷・「元湯 孫九郎」(公式HP)

一番の特徴はなんといっても露天風呂の多さで、露天風呂数は日本一!一つの旅館さんで露天風呂を複数備えている施設もめずらしくありません。そして源泉数も100を超し、温泉の湧出量は別府、湯布院に次ぐ第3位でもあります。当然様々な泉質の温泉があり、源泉かけ流しが多いのもまた素晴らしい。実は奥飛騨温泉郷の温泉は養殖、温室、融雪、暖房など二次利用も盛んです。この取り組みも素晴らしいですね。

温泉ですっぽんを養殖!!(ナガセスッポン養殖場)

ではそれぞれの温泉について少し解説...

平湯温泉

平湯温泉「平湯の湯」

奥飛騨温泉郷の入り口になる平湯温泉奥飛騨では最も歴史が古く、最も大きい温泉です。江戸時代末期の文献で白い老猿による発見伝説が残っており、参勤交代では北陸の大名一行が道中で疲れを癒していたそう。約40の源泉があり泉質は幅広く、色も透明、茶褐色、白濁、鴬色と様々。足湯や日帰り施設も豊富なので、奥飛騨に来たらまずは平湯攻略は必須です。

平湯大滝。手前の看板には白い老猿伝説についての説明が。

福地温泉

福地温泉「湯元 長座」(公式HP)

森林に囲まれた、山里らしい落ち着いた雰囲気の温泉。

平安時代村上天皇が湯治に訪れた伝説や、平家の落人伝説が残っています。福地の朝市や郷土芸能、春夏の新緑や、秋の紅葉、冬の氷のカーテン「青だる」など見所必見。奥飛騨温泉郷で唯一日本百名湯に選ばれている温泉地でもあります。

福地温泉の朝市

青だる(奥)に伝統芸能「へんべどり」の獅子舞(元湯 孫九郎HP)

新平湯温泉

新平湯温泉奥飛騨ガーデンホテル焼岳」(公式HP)

平湯温泉に次ぐ規模の、国道沿いに広がる新平湯温泉

遠い昔、この地を訪れた美しい姫が美味しい水を見つけて定住し、恋に結ばれた伝説が残る「タルマ水」や、そのタルマ水近くで神様に温泉を教えられた伝説があります。「いで湯まつり」や「そば祭り」、「タルマかねこおり祭り」、「クマ牧場」など見所も多数。

奥飛騨の名水「タルマ水」

タルマかねこおり祭り(岐阜県観光公式サイト)

栃尾温泉

栃尾温泉荒神の湯」

トチの木が沢山あったことから名づけられた温泉。ここまで来たら「いよいよ奥飛騨まできた!」というイメージがあります...。荒神の湯や足湯「蛍の湯」は蛍の名所として有名で、毎年6月下旬~7月下旬の19時~21時頃が見ごろです。

1979年に栃尾温泉の洞谷で大規模な土石流が発生してから、再発防止のためにできた流路工は季節によって姿を変える観光スポットに。初見の方はわき見運転注意です!

栃尾温泉、洞谷の春

冬のライトアップも美しい!

新穂高温泉

新穂高温泉新穂高の湯」

奥飛騨温泉郷のゴール、新穂高温泉。開湯時期は不明ですが、武田信玄の家臣が入湯した伝説が残っています。ここまでくると森林と渓流の壮大な自然を楽しめる施設が増えてきます。奥飛騨温泉郷で雑誌に載る場合、この地区の温泉の写真が載ることが多い印象がありますね。

また、硫黄泉や単純泉であっても硫黄の豊潤な香りや湯の華を見かける温泉が多く、個人的に"山間で見られる温泉"らしい温泉というイメージがあります。

穂高温泉の更に一番奥にはロープウェイ乗り場があり、登山客の方がかなりみられるのも特徴の一つです。

新穂高ロープウェイ。絶景!!

個人的おススメ4選

冒頭でも触れた通り、自分は昨年のGWの一週間ほど、新穂高温泉のエリアでホテルでホールの短期アルバイトをしていました。そこでは朝食の仕事が終わったのち、夕食の仕事の時間までの間ひたすら外出して観光を楽しむ生活をしておりました。

実は平湯までは何度か訪れたことはあったのですが、その奥まで行ったのはそれが初めて。今回は自分が入ったお勧めしたい温泉4選を紹介したいと思います。

①平湯の森

平湯温泉「平湯の森」(純温泉協会)

平湯温泉エリアの大規模な温泉施設で、日帰り施設でもあります。

温泉成分のついた内風呂に、森林気分を味わえる露天風呂。源泉は白く濁る炭酸水素ー塩化物泉と透明(少し鉄の風味?)の炭酸水素ー硫酸塩泉の二つが、男湯7・女湯9もある露天風呂に注がれています。

②平湯の湯(平湯民族館)

平湯温泉「平湯の湯」

寸志(300円程度)で入れる平湯の共同浴場。鉄が混ざっていることで特別な色になります。浴槽こそ一つですが、森に囲まれて平湯の源泉かけ流しを存分に楽しめる最高の温泉で、ここでしか味わえない温泉体験ができます。私は平湯を訪れたら毎回絶対に入りに行きます!

新穂高の湯

新穂高温泉新穂高の湯」

新穂高温泉エリアの共同浴場。ここに来るために奥飛騨温泉郷に来た、という方に毎回出合います。横目に迫力のある渓流が流れており、先日は単純温泉、成分は少なめで結構温く、自然に囲まれてつい長湯したくなる温泉です。女性は水着着用の混浴OKですが、外からも見えてしまうのでそれでもよければ...。

④深山荘

新穂高エリアの結構奥に位置する「深山荘」さん。

深山荘さんの温泉は単純温泉ではありますが、硫黄臭があり湯の華も沢山。

何よりロケーションがものすごく、目の前に渓流、奥には北アルプスがそびえています。ここまで迫力のある大自然を見ながら温泉に入れる場所は中々ありません。

川下りしているボートと何度か目が合ってしまい気まずくなることもあります...がこの温泉はやはり特別に素晴らしい温泉です。

 

後書き

奥飛騨温泉郷は、恐らく自分が訪れた中で一番長く滞在していた温泉地で、かなり思い出深いです。大自然の中で最高のお湯に浸かるのは温泉の醍醐味、ここに訪れればみんな温泉大好きになれると本気で思う、そんな温泉地です。

記事を書いていて、やはりもう一度訪れたい!という気持ちが強いです。まあ近い方なので行こうとすればいつでもいけるのですが。

特に長期間滞在して色々ないいところを見つけると、沢山の人に広めたくもなりますし、思い入れも強くなるというもの。願わくば冬に行ってみたい!

(長野県からのアクセスだと冬は道が厳しく、これまで奥飛騨を訪れたのは春と夏のみ)

そして今回、紹介したいことが沢山あり(しかもエリアが広いという事で)記事の構成が少し変わっています。ほんとは訪れた感想も入れたかったのですが、文字数が多くなり写真も多いとうんざりしてしまう(+自分の体力も限界)ということで、それは近々別の記事として挙げられればと思います。

温泉とは関係ありませんが、高山や飛騨古川も大好きで(というか郡上八幡とか下呂温泉、岐阜タウンも、岐阜県の全部が好きなのですが)去年のGW中に遊びにいったので、それらをまとめた旅行の振り返りをしてみたいと思います。

飛騨古川の気多若宮神社。「君の名は。」の聖地でも有名ですね。
こんな感じのところを沢山回っていました。

長くなってしまいましたが、今回はこの辺で!ではまた!

【島根県】温泉津温泉

今回はずっしり効く世界遺産の温泉・温泉津(ゆのつ)温泉について!

温泉津温泉「元湯」

目次

温泉データ

所在地 :島根県大田市

 泉質 :ナトリウム(・カルシウム)ー塩化部泉

源泉温度:45~50℃

  pH  :6.0~6.3

その他 :世界遺産石見銀山遺跡とその文化的景観

     「国の重要伝統的建造物群保存地区」指定

特徴

温泉津温泉は山陰・島根県日本海側に位置する温泉地。

実はかなり歴史のある温泉で湯治場として栄えていた過去がありますが、2007年に石見銀山遺跡とその文化的景観の一部として世界遺産に登録されたことで、再度有名になりました。

石見銀山の外観(島根県公式観光情報サイトより)

温泉の話題からは少し逸れますが、石見銀山と言えば戦国時代後期から江戸時代前期まで繁栄した日本最大の銀山の跡地。特に1620〜1640年には世界で産出する銀の1/3の約ほどである年間40tもの銀が生産されたと言われています。

この頃は日本こそ鎖国状態でしたが、世界は大航海時代。銀が通貨の基軸となっていた海外へと石見の銀は輸出されていくことになります。

石見銀山の内部(島根県公式観光情報サイトより)

世界遺産の選定地域には銀の生産に関連した集落・施設も含まれており、特には温泉津は温泉街である一方、銀を詰め込む港町としても栄えていたために「歴史的な土地利用の証拠」として温泉津温泉の温泉街も世界遺産の一部に含まれている、と言ったわけだそう。

こうして温泉津温泉湯の峰温泉に次いで国内二番目の世界遺産の温泉となりました。

16世紀に銀の積出港として栄えた温泉津の港「沖泊」(島根県公式観光情報サイトより)

ちなみに元湯に至る赤い石州瓦屋根の家やナマコ壁の土蔵、大正時代の洋風レトロな薬師湯旧館などが並ぶ温泉街は、2004年に温泉街として初めて「国の重要伝統的建造物群保存地区」に指定されました。

温泉津温泉 温泉街(島根県公式観光情報サイトより)

そんな魅力ある温泉津の町ですが、温泉もとってもすごい!

特に「薬師湯」さんの温泉は日本温泉協会の天然温泉の審査で"オール5"をとったんだとか!(自分はあまり詳しくないのですが、どうやら全国で11箇所しかない名誉あるものらしい...)。

温泉津温泉の特徴は成分がとても濃いこと。溶存物質の量は源泉に違いはあれど7000~8000g/L程度で、湧出時は透明ですが次第に酸化し淡茶褐色になります。また泉質としては分類されませんが遊離二酸化炭素も多く含まれているのも特徴の一つです。

源泉温度は40℃後半くらいと少々熱い程度ですが、逆にこのくらいの泉温だと冷まさないことが多く、また温泉津温泉では源泉に浴槽が近いことも多いため、結局実際に入浴すると熱く感じます...。(温泉津温泉元湯では熱めの浴槽の他にぬるめの浴槽も出来たので、より温泉を楽しみやすくなりました!)

温泉津温泉元湯の浴槽。一目で成分が濃いのがわかる...

歴史

温泉津温泉には旅の僧が湯に入って傷を癒すタヌキを見つけたという伝説が残っており、約1300年前には既に発見されていたとされています。かなり歴史が深い...。

平安時代中期に編纂された「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」に「温泉(ゆ)郷」として登場し中世には「温泉氏」が治めていました。

室町時代には現在「元湯」と呼ばれる泉源湯坪がつくられ、温泉開発が本格化します。

16世紀に石見銀山が発見されると温泉津は積出港となり湯治場としても発展。

明治5年(1872年)には死者500名以上を出した浜田地震が発生。その際温泉津では別の源泉が湧出し、その源泉を現在の「薬師湯」が利用しています。このことから薬師湯は別名「震湯」とも呼ばれています。

温泉津温泉「薬師湯」(島根県公式観光情報サイトより)

実はこの薬師湯と元湯では、位置的には結構近いのですが成分は少し異なります。(例えば薬師湯の泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物泉ですが、元湯ではナトリウムー塩化物泉となります。)

現在の温泉津温泉はシルバーラッシュ時代の栄光を留め、湯治場の歴史の生き証人となる温泉地になっています。

訪れた感想

自分が実際に足を運んだのは2年前の11月、かなり日の沈みかけたころでした。

温泉街入口。コロナの影響なのか、かなり暗い...

訪れたのは薬師湯さんです。

午後18時ごろに訪れましたが意外と人がおり、浴槽があまり大きくないこともあって20分程度待ち時間がありました。待機中は館内を見て回っていましたが、めちゃくちゃ雰囲気がいい!いかにもノスタルジックな雰囲気...。

館内一階のカフェスペース(島根県公式観光情報サイトより)

館内二階の休憩スペース(島根県公式観光情報サイトより)

そんなこんなで時間が経ち、念願の温泉へ。

浴槽は温泉成分ですごいことになってる!!!ただモノではない感がすさまじい。

薬師湯の浴槽。すごくない...??

源泉のかけ湯をして体をなじませます...が結構熱い。なじむまでは時間がかかります。

体と心の準備ができてから温泉に入ると、めちゃくちゃ重い感じがする!

本当にずっしりとくる感じ。これは確かに効果がありそうな気がしてくる、そんなお湯です。やはり泉温が熱いので5分もしたら休憩し、体を冷まします。その繰り返し。

体に効きそうな感じがして、何回も入りたくなる温泉です。

周りの方も入って出て入って...の繰り返しで、同じ気分なのかなと勝手に想像しました。

感想になりますが、本当に貴重でここにしかない温泉だなと感じました。訪れる価値は絶対にあります。昔から現在まで大切に管理されていることに感謝しながら入りたい温泉でした!!

後書き

ということで今回は温泉津温泉についてでしたが、いかがでしたでしょうか。

一応今回で全国の○○地方の温泉は一度は取り上げたでしょうか。

東北地方や中国地方はの温泉はあまり取り上げていませんが、実は結構足を運んでいて好きな温泉も多いので、またおいおい記事にしたいなと思っております。

それにしても今回の温泉津温泉は、これまで記事にした温泉の中でも一層湯治向きと言いますか、成分が割とガチで温泉マニアが御用達、あまり温泉に詳しくない方は近寄らない温泉と言いますか...。

そのような温泉は、ほぼほぼ素晴らしい温泉の確定演出のようなものでとてもわくわくしますが、一方で自分のような20代の入浴客は割と珍しいようです。最近は若い方の入浴マナーが良くないと言われることもあるようなので....。自分はあまり白い目で見られた経験はありませんが、何となく気持ちはわかるような。

そこで私は、特に温泉津温泉のような歴史があったり雰囲気を大事にしている温泉ではめちゃくちゃ気を遣って温泉に入るよう心がけています。戸を開けたらまずは挨拶。それから源泉で何回もかけ湯をして、波のたたないようにゆっくりと入るなどなど。

そして一番大事にしているのが、入浴中は笑顔でいること!!

いい温泉に入っているときに、周りの人が笑顔でリラックスして入っているのを見ると自分もいい気分がしてきます。何よりむすっとしているより笑顔でいた方が自分もより温泉を楽しめるような気がします。

温泉に入るときは泉質だけでなく自分の精神状態も同じように大事だと最近は思っています。そしてこれからもそこは大事にして温泉ライフを満喫しようと思います。

それでは今回はこんな感じで!ここまで目を通してくださりありがとうございました!

【三重県】榊原温泉

今回は「湯ごり」の聖地・榊原温泉について!

榊原温泉「湯元 榊原館」(公式HP)

温泉データ

 所在地  :三重県津市

 泉質 :アルカリ性単純温泉

源泉温度:約30℃

 pH   :約9.5

 その他  :枕草子の「日本三名泉」、名湯百選、日本百名湯

目次

特徴

榊原温泉は古くから「湯ごり(湯垢離)」の地として知られてきました。

湯ごりとは温泉に浸かることで身を清める行為のこと。

(ちなみに冷水で身を清める行為を水垢離、海水は潮垢離といいます)

湯ごりで温泉地と言えば、他にも熊野詣前の「湯の峰温泉」などが有名ですね。

湯の峰温泉(熊野本宮観光協会HP)

ここ、榊原温泉は京から伊勢神宮への通過点であることから、昔は伊勢神宮にお参りする前には榊原温泉で身を清めてから伊勢へと向かうのが正式な参拝とされていたこともあるようで、地元では「宮の湯」とも呼ばれていたそう。

京都➝榊原温泉伊勢神宮のルート。
現在の交通網でも京都ー榊原温泉で徒歩21時間
榊原温泉伊勢神宮で徒歩11時間...途方もない

なお、伊勢神宮では毎年6月の一週目の土曜日に榊原温泉のお湯を神宮に奉納する「献湯祭」と呼ばれる神事が行われています。

献湯祭の様子(榊原温泉振興協会公式HP)

また、榊原温泉は「三名泉」の1つとして数えられることもあります。

これは昔、榊原温泉が「七栗の湯」と呼ばれていた時代に清少納言の"枕草子"で「湯はななくりの湯有馬の湯玉造の湯」と謳われたことからきているよう(諸説あり)。

一般的に「三名泉」といえば万里集九が詩集に記載、林羅山が後に広めた「草津温泉下呂温泉有馬温泉」がメジャーなイメージがありますが、まあこの件に関してはどちらが公式というものではありませんので...

歴史

開湯の具体的な時代はわかっていないようですが、1500年も前から「榊原温泉」と呼ばれるようになるまでのこんな逸話が残っています。

昔、この温泉地一帯は「榊」が多く自生していました。第26代(450?~531?)の継体天皇の皇女の「ササゲヒメ」が斎王(天皇に代わって伊勢神宮に使えるために選ばれた未婚の皇族女性)になられたときに、その榊を伊勢神宮に献上し使われるようになったことから「榊が原」と呼ばれるようになり、転じて「榊原」となったようです。

そんな榊原温泉に大きな変化があったのは天正16年(1588年)の戦国時代。戦いで負った怪我の治療や疲れを癒す湯治がブームになり、榊原温泉も湯の神を祀る「射山神社」を一角に入れた大きな湯治場が出来たとされています。神社の境内から湧く「宮の湯」を使った湯治場は約100室からなる大規模なものだったそうで、当時は大変にぎわったそうです。

射山神社。主祭神は温泉の神様の"大己貴命"と"少彦名命"。
榊原温泉は恋の病を癒す温泉とも知られていたことから、良縁吉祥のご利益があるとも。

感想

訪れたのは2年前の8月(当時は湯ごり場であったことなど知らず、お伊勢参りの後に訪問しました)。

榊原温泉の日帰り温泉5選!2023年おすすめの入浴施設を紹介します | 取材レポート | 観光三重(かんこうみえ)

第一の感想は、「え、こんなところに温泉があるの!?」でした。まわりは畑に囲まれていて、歴史のある温泉地なら山に囲まれていたりするイメージがありました...

入浴させて頂いたのは「湯の庄」さん。旅館「湯元 榊原館」さんの施設の日帰り温泉です。

湯元榊原舘 湯の庄 | はた坊のふわっとしたブログ

まずシャワーを浴びると、もうぬるっとした感覚...これはもしやと期待が膨らみます。

内湯は大きい浴槽の加温された温泉と、小さい浴槽の源泉かけ流しの二つ。

(奇数日と偶数日で男女の浴槽が入れ替わるそうです)

最初に源泉かけ流しの方へ行くと、めちゃくちゃぬるい!!実は榊原温泉の源泉は約30℃と低めの泉温。驚きましたが慣れてくると心地よくリラックスして入れるように。そしてすごいとろとろした感じ!さすがアルカリ性単純温泉...

湯の庄さんの内湯(手前が源泉、奥が加温)。
源泉の方は足を伸ばして丁度いい大きさの浴槽。

しばらくして少し体が冷えを覚えるようになると大きい浴槽へ移動。こちらも湯触り◎。そして露天風呂もあり、こちらも加温されているようでしたが、お湯は同じく最高です。また外の自然も心地よい...。

湯の庄さんの露天風呂。最高の温泉に和やかな自然が完璧。

自分が訪れたときはコロナ禍の影響で時間制限があり無限に入れなかったのは残念でしたが、それでもなんだかんだで5回くらいは温冷の交互浴をしていたと思います。

訪れたのは2年前でしたが、今でも最高の温泉体験ができたことを鮮明に覚えています。また行きたい!!

後書き

ということで榊原温泉についてでした。

今回記事にするにあたって色々調べてみて、榊原温泉の歴史の濃さにはびっくりしました。自分は初見の温泉地に行く際はなるべく前情報を持たないで行くタイプなので勉強になりました。

ほんとは先に情報をもっているといざ温泉地を訪れた際にまんべんなく見どころを回れるのかもしれませんが、同時に期待とは違う雰囲気だと少しうんざりすることもあるので、そこは人の好みですよね。

ちなみに私は基本的に温泉分析書も最初は見ないで、入浴後に確かめるタイプです。

温泉分析書は、いわば作品のネタバレのようなものだと思っているので...。

もちろん注意書きや禁忌症、適応症などを知っておくために分析書(及び別表)があるので、この楽しみ方はどちらかと言えば間違いですが、前情報なしで最高の温泉に当たった時の幸福感はなかなか味わえないもの。榊原温泉を訪れたときはまさにそうでした。

結構温泉好きの方々のお話を聞いていると、絶妙なところで様々な楽しみ方をされている方を見かけます。(人に迷惑をかけない範疇に限り)そうしたところも温泉の魅力の1つなのかなと思っています。

では今回はこの辺で。ここまで読んで下さりどうもありがとうございました!

 

 

【雑談】3月まとめ

こんにちは~ 

今回は簡単に今月あったことの振り返りや、簡単に今後のことなどの雑談をしたいと思います。

 

ではまず振り返りから。

今月上旬には福岡に行っていました。

学会会場「九州大学伊都キャンパス」めっちゃでかい!!

一応学会の参加のためでしたので、3泊4日で博多のホテルに宿泊。

(ほんとは温泉宿に泊まりたかったのですが、どうにも大学側の監視が厳しいようでしたので断念。福岡県は温泉のイメージこそないかもしれませんが、南の方へ行けば原鶴温泉筑後川温泉などの名湯もあります。残念ながらまたの機会に...)

ただ延泊などして時間を作り、2日間ほど観光の時間が出来ました。

旅行先に選んだのは"①別府"と"②長崎"。

メンバーは3人で、全員が温泉好きというわけではなかったのであくまで観光がメインにはなってしまったのですが、それはそれで普段いかないような場所に行けて楽しかったです。

写真と共に、簡単にどんな感じだったかを述べさせていただきます。

別府

別府訪問したときは、とにかく霧がひどく湯気なのか霧なのかわからない天候...

ご飯は「地獄蒸し工房 鉄輪」にて。

ここでは食材を選んで、鉄輪温泉の蒸気によって蒸し料理を作ります。

お料理はこんな感じ。ごちゃごちゃしてるけど、全て甘みが強くなり(若干鉄輪温泉の塩+ミネラルっぽい味も)とてもおいしかった!

もちろん地獄めぐりもしてきました。

長崎

長崎は天気に恵まれました。九十九島も綺麗に見える!

眼鏡橋。実物はめっちゃ綺麗でかっこいい!

平和の像。当時の記録も沢山あり、色々学ばせていただきました。
(資料館には本当に生々しいものまで展示してありますので、苦手な方は注意。)

これが現在の"出島"。周りが埋め立てられていてもはや出ていない...

ざっくりと、今回の旅行はこんな感じでした。温泉は別府の"ひょうたん温泉"のみでしたが、やはりあの唯一無二の滝湯は最高。

 

博多から新幹線で東京まで帰った翌日には、新宿にて温泉名人検定試験がありました。

講義内容は温泉医学温泉地学温泉総論温泉化学温泉法温泉観光学で、簡単な内容から難しいものまで幅広くといった感じ。

個人的には温泉化学の内容が一番興味深いと感じました。結構温泉のセミナーは文系チックな内容になっているものが多い気がしましたが、この講義は理系寄り(といっても高校化学くらいで、とっつきにくい内容ではありません)でかなり面白かったです。

試験のネタバレはできませんが、全60問の4択、6割で合格。自己採点では恐らく合格していますが、意外と難問も多かった印象。講義内容からのみではなく、自前の知識が必要な問題もありました。発表は5月になるのかな?それまでは大人しく待っています。

 

それからもう一つ大きな出来事としては、日本温泉協会が出版する雑誌「温泉」の定期購読やっと契約しました。

雑誌「温泉」

こちらは、温泉マニアの方と話をした際に毎回のようにお勧めされていたのですが、後回し後回し...していたら今頃になってしまいました。

5月夏号から届くという事なので、いまから楽しみです。

 

今月の出来事はこれくらいでしょうか...ほんとは色々行きたいところは山ほどあるのですが、現在新しいパソコンを買うために倹約中でして...それに九州に行って思ったのですが、今度旅行に行くときはたくさんの時間をお金をかけて温泉に行きたいです。なので長期で旅行に行くのはしばらく先になるかな...といったところ。

4月からは大学院生になり、また授業と研究が始まります。それはそれとして、たまにはサボって温泉も行くと思いますが、どんな変化があるか少し楽しみでもあります。

そして冬が終わると、少しずつ温泉のシーズンではなくなっていきますが、まあ冬には雪でアクセスできない温泉にも行けるようになるということでそこは...

とりあえず今のところ、来週には長野県内の温泉の宿泊予約もしているので、ゆっくりと温泉活動も再開しようと思います。

それでは今回の雑談はこんな感じで。三日後の日曜日にはまた温泉の記事を更新する予定ですので、それまで少々お待ちを~。

【福島県】磐梯熱海温泉

今回は東北地方・美肌の霊泉「磐梯熱海(ばんだいあたみ)温泉」について!

磐梯熱海温泉・「ホテル華の湯」(ホテル公式HPより)

目次

温泉データ

所在地 :福島県郡山市

 泉質   :(アルカリ性)単純温泉

源泉温度:市営源泉 約53℃ 元湯源泉etc... 約30℃

  pH   :9.0~9.5

湧出量 :850L/分

その他 :名湯百選、磐越三美人の湯

特徴

福島県郡山市に位置する磐梯熱海温泉、まず一つ目の特徴は泉質のすばらしさ

アルカリ性単純温泉のやさしいながらもかなりぬるっとした湯ざわりで、落ち着いた温泉街に調和のとれた緑を眺める時間は最高のリラックスタイムになること間違いなしです。

また、磐梯熱海温泉の源泉の多くは約53℃の市営源泉から引いていますが、中には約30℃ほどのぬるめの源泉から引いている施設(霊泉元湯など)もいくつかあり、温冷交互入浴も楽しめるのも魅力の一つ。ちなみに二つとも泉質は同じです。

磐梯熱海温泉「四季彩一力」(ホテル公式HPより)

そして二つ目の特徴はなんといってもアクセスの良さ!

新幹線の停車駅「郡山」から電車(磐梯西線)で13分の「磐梯熱海駅」から徒歩すぐ、車では磐越自動車道の「磐梯熱海IC」からすぐであるため、ロケーションは抜群。

足湯や日帰り入浴できる施設も多いため、ちょこっと立ち寄るだけでも温泉が楽しめます。

磐梯熱海駅前足湯(福島観光HPより)

三つ目の特徴はイベントが盛んなこと。

南北朝時代の逸話、病に伏せた"萩姫"という美しい女性が、神からのお告げによって磐梯熱海温を訪れて病を治したという伝説から、8月上旬に源泉に感謝し神事や市が開かれる「萩姫まつり」をはじめ、5月に行われる緑に囲まれたチェックポイントをまわる「ケヤキまつり」、12月には氷の上の綱引き大会「つるんこ祭り」などが行われます。

さらにスポーツ施設が充実しており、バスケットボールやラグビー、ウィンタースポーツの大会や、体験教室も開かれることが多いのも特徴です。

歴史

開湯は約800年前の鎌倉時代、源氏による奥州合戦の時期といわれています。

現在の名前が付けられたのはこの頃で、合戦の後にこの地を治めることになった伊豆の国出身の"伊東祐長(いとう すけなが)"が、温泉の湧き出る地を故郷の熱海温泉を偲んだことに由来するとか。

なお磐梯熱海温泉は駅前のすぐそばと五百川に沿って立ち並ぶ二つの温泉街があり、古くは駅前を「熱海温泉」、五百川周辺を「高玉温泉」と分けていたそうですが、現在は一つの磐梯熱海温泉として呼称されています。

駅前(南東)が「旧熱海温泉」、五百川沿い(北西)が「旧高玉温泉」

磐梯熱海温泉の「四季彩一力」には、昭和天皇や昭仁上皇文仁親王やウィリアム王子が宿泊されるなど、結構すごい温泉施設もあります。

感想

自分が訪れたのは2年前の6月中旬。弟がめちゃくちゃお勧めしていたので自分もワクワクしながらの初訪問でした。

宿泊させて頂いたのは「紅葉館 きらくや」さん。

なんといっても庭園露天風呂、ぬる湯、さらには宿泊者限定の展望貸し切り風呂と盛りだくさんで、お湯は期待以上のぬるぬる感!!

展望風呂は特に注釈はなかったと思いますが若干ぬるめで、特に夜の静かで落ち着いた雰囲気の中での素晴らしい温泉は最高でした。

磐梯熱海温泉 紅葉館きらくや 設備・アメニティ・基本情報【楽天トラベル】

磐梯熱海温泉「きらくや」(公式HPより)

個人的な感想ですが、磐梯熱海温泉は全体的に雰囲気がめちゃくちゃ好みの温泉地でした。寂れているわけではないですが、落ち着いていて緑も多く、思い返せばすごくリラックスできたなーと感じました。

普段は結構特徴の富んだ温泉を取り上げることが多いですが、磐梯熱海温泉のような落ち着いていてあたたかな温泉も自分は大好きです。

後書き

今回は磐梯熱海温泉についてですが、いかがだったでしょうか。

決して有名ではない温泉かもしれませんが、こうした温泉に足を運んでみて最高のお湯に辿り着けるとめちゃくちゃ記憶に残りますし、自分の推しの温泉の一つになって友人にお勧めしたくなったりもします。

また、文字にするのは難しいですが、磐梯熱海温泉の「キレイにまとまった温泉街」の雰囲気もすごい好きで、温泉だけでなく街全体が素敵という印象が強いです。

基本的に行きたい温泉を探すときは温泉の写真を見て決めることが多い自分でしたが、磐梯熱海に訪れた後は、たまには温泉街の雰囲気を見ながら目的地を探してみても楽しそうだなと思ったりするようになりました。

では後書きはこんな感じで。ここまで読んで下さりありがとうございました~。

【徳島県】祖谷温泉

今回は四国の秘境・徳島県祖谷(いや)温泉について!

祖谷温泉・「和の宿 ホテル祖谷温泉 せせらぎの湯」

目次

温泉データ

所在地 :徳島県三好市

 泉質 : (アルカリ性)単純硫黄泉

源泉温度:38.3℃

 pH  :9.1

総湧出量:約500L/分

その他 :日本百名湯、日本三大秘境(祖谷)、日本三大秘湯、日本秘湯を守る会

特徴

祖谷温泉といえば、まさに秘境の温泉地。

白川郷(岐阜県)、椎葉(宮崎県)と並び日本三大秘境と言われ、またニセコ薬師温泉(北海道)、谷地温泉(青森県)と並んで日本三大秘湯とも呼ばれているとか。

観光スポットで言えば祖谷のかずら橋、琵琶の滝、祖谷渓の"ひ"の字渓谷などが有名です。

祖谷のかずら橋(ZEKKEI JAPANより)

祖谷温泉と言えば、一軒宿の「和の宿 ホテル祖谷温泉」さんのことを思い浮かべる人が多いはず。約170m下にある露天風呂までケーブルカーに乗って移動する、という何とも壮大な露天風呂があります。

四国というとあまり温泉のイメージはないかと思いますが、祖谷温泉は昔から源泉かけ流しを続けられています(四国の源泉かけ流しは道後温泉と祖谷温泉のみらしい...)。

泉質はアルカリ性単純硫黄泉、源泉温度は38.3℃ということで、最高の景色を味わいながら、いかにも温泉らしいお湯を長時間堪能できる魅力の詰まった温泉です。

祖谷峡周辺には他にも「祖谷峡温泉」「新祖谷温泉」など温泉も増えているようです。

どうやら泉質も似ているとのことなので、いつか行ってみたいなと思っております。

歴史

祖谷渓谷一帯は古くから温泉が湧出していたらしく、「フロノタニ」と呼ばれることもあります。また、祖谷は源氏との戦いに敗れた平家が身を隠した土地として知られていおり、平家一族もこの温泉を見つけて湯治したという伝説があります。

しかし安政の大地震(1850年代)以降湧出が長らく止まってしまったらしく、1920年ごろになってようやく岩盤か再度温泉が湧き出ているのが見つかったそう。

1965年に本格的に温泉掘削が始められ、1972年に「和の宿 ホテル祖谷温泉」が誕生、祖谷温泉の湯を私たちも楽しめるようになりました。

感想

実際に自分が訪れたのは2年前の10月ごろ。

祖谷温泉という名前しか知らずに向かい、「大歩危(おおぼけ)」という地名のインパクトと、とにかく険しい道の連続に戸惑った記憶があります。

ですが毎度のこと、山奥に進めば進むほど、こんな自然に囲まれた中で温泉が入れるのかと思うと気分も高まります。

途中で現れる小便小僧に困惑しながらも、訪れたのはやはり「和の宿 ホテル祖谷温泉」

さっそく受付に行き、説明を受けてケーブルカーへ。

ケーブルカー内(前にいるのは弟)

ケーブルカーで下りきると更衣室があり、その先が浴槽となっています。

一瞬お湯をかぶって、ここが最高の温泉であることを確信しました。

ほのかな硫黄臭にめちゃくちゃ丁度よいぬる湯、絶え間なく注がれる源泉に、なんといっても横目に見える川と綺麗な緑(+若干の紅葉)!!

感触はややぬめり気味でこれまた心地よい感じで、一生入れるな―とか思いながらお湯を堪能していました。その日は特に天気も温度も絶好で、これ以上ないコンディションということもあり、今までの人生で間違いなく一番の温泉体験ができました。

祖谷温泉「和の宿 ホテル祖谷温泉 渓谷の湯」

自分はぬる湯が大好きで、かつ当たり前ですが景色の良い温泉も大好きです。

その点で祖谷温泉は自分が入った温泉の中で一番の泉温・環境だなと思っており、一番好きな温泉を聞かれたら間違いなく「祖谷温泉」と答えます。それほどまでに祖谷温泉は大好きな温泉で、全人類人生一度は訪れてほしいなと思う温泉です。

一緒に入浴していた海外の方も景色を堪能し、その後は目を瞑って(寝てた?)温泉を楽しんでいるご様子で、そこでいい温泉は万人に共通なのかも、と思った記憶があります。温泉の良さは、文字だけでは伝えきれないのがもどかしい...。

祖谷温泉「和の宿 ホテル祖谷温泉 展望風呂」

「和の宿 ホテル祖谷温泉」は日帰り1900円とリッチよりではありますが、ケーブルカー+露天風呂だけでも自分は安いなと感じてしまうくらいです(しかもそれにプラスして展望風呂「雲遊天空の湯」も入ることができます)。

最近ではケーブルカーのリニューアルや露天風呂付の客室風呂も出来たらしいので、みなさんもこの機会にぜひ!

リニューアルされたケーブルカー(ホテル公式サイトより)

社内もめっちゃ綺麗!(ホテル公式サイトより)

後書き

ということで今回の記事はいかがだったでしょうか。

自分の最推しの温泉なので、調べれば調べるほど実際に訪れたくなってしまいました。

一軒宿で歴史が古い温泉というわけではないので、若干内容は薄くなってしまったかもしれませんが、その点はどうかご了承を...。

そういえば、3月10日に日本温泉名人認定試験を受けてきました。内容については深く言えませんが、めちゃくちゃ勉強になりました!特に温泉化学の授業は自分の大学の専門と近いところもあり、普通に聞き入ってしまいました。

試験結果は後日ということでした(受かっている自身はあります)が、意外と自前の知識が問われるものもあり、温泉についてのブログを書いていてよかったなと思うことも少々ありました。

講義中、「温泉の三大要素」について学習しました。温泉でいう三大要素はもちろん「湧出量・温度・成分」のことです。ただ、自分はもし温泉を楽しむうえで重要な要素を考えると、ここにプラスして「環境」も入れたいなとずっと思っています。

今回取り上げた祖谷温泉は、もちろん温泉も素晴らしいですが、ここに絶好のロケーションがあるからこそ魅力が何倍にもなり、自分の最推しの祖谷温泉になると思います。

祖谷温泉は「お湯、温度、成分、環境」全てが魅力!!!

もちろん自然の中だけではなく、施設の清潔感や歴史を感じる建造物もまた温泉の魅力を引き出す一つの要素ですよね。反対に、清潔感のない施設では(慣れてしまえば関係かもしてませんが)どうしたってリラックスできないように思います。

自分の好きな温泉を思い返すと、やはりどこも「環境」が良い温泉が上位にあるような...。まあでも温泉で魅力を感じるポイントは人それぞれだから面白いのもあります。

ここまで読んで下さった皆さんも一度振り返って見て、自分が温泉のどこに魅力を感じるか考えてみると面白いかもしれませんよ。ではでは~!