今回は四国の秘境・徳島県の祖谷(いや)温泉について!
目次
温泉データ
泉質 : (アルカリ性)単純硫黄泉
源泉温度:38.3℃
pH :9.1
総湧出量:約500L/分
その他 :日本百名湯、日本三大秘境(祖谷)、日本三大秘湯、日本秘湯を守る会
特徴
祖谷温泉といえば、まさに秘境の温泉地。
白川郷(岐阜県)、椎葉(宮崎県)と並び日本三大秘境と言われ、またニセコ薬師温泉(北海道)、谷地温泉(青森県)と並んで日本三大秘湯とも呼ばれているとか。
観光スポットで言えば祖谷のかずら橋、琵琶の滝、祖谷渓の"ひ"の字渓谷などが有名です。
祖谷温泉と言えば、一軒宿の「和の宿 ホテル祖谷温泉」さんのことを思い浮かべる人が多いはず。約170m下にある露天風呂までケーブルカーに乗って移動する、という何とも壮大な露天風呂があります。
四国というとあまり温泉のイメージはないかと思いますが、祖谷温泉は昔から源泉かけ流しを続けられています(四国の源泉かけ流しは道後温泉と祖谷温泉のみらしい...)。
泉質はアルカリ性単純硫黄泉、源泉温度は38.3℃ということで、最高の景色を味わいながら、いかにも温泉らしいお湯を長時間堪能できる魅力の詰まった温泉です。
祖谷峡周辺には他にも「祖谷峡温泉」「新祖谷温泉」など温泉も増えているようです。
どうやら泉質も似ているとのことなので、いつか行ってみたいなと思っております。
歴史
祖谷渓谷一帯は古くから温泉が湧出していたらしく、「フロノタニ」と呼ばれることもあります。また、祖谷は源氏との戦いに敗れた平家が身を隠した土地として知られていおり、平家一族もこの温泉を見つけて湯治したという伝説があります。
しかし安政の大地震(1850年代)以降湧出が長らく止まってしまったらしく、1920年ごろになってようやく岩盤か再度温泉が湧き出ているのが見つかったそう。
1965年に本格的に温泉掘削が始められ、1972年に「和の宿 ホテル祖谷温泉」が誕生、祖谷温泉の湯を私たちも楽しめるようになりました。
感想
実際に自分が訪れたのは2年前の10月ごろ。
祖谷温泉という名前しか知らずに向かい、「大歩危(おおぼけ)」という地名のインパクトと、とにかく険しい道の連続に戸惑った記憶があります。
ですが毎度のこと、山奥に進めば進むほど、こんな自然に囲まれた中で温泉が入れるのかと思うと気分も高まります。
途中で現れる小便小僧に困惑しながらも、訪れたのはやはり「和の宿 ホテル祖谷温泉」。
さっそく受付に行き、説明を受けてケーブルカーへ。
ケーブルカーで下りきると更衣室があり、その先が浴槽となっています。
一瞬お湯をかぶって、ここが最高の温泉であることを確信しました。
ほのかな硫黄臭にめちゃくちゃ丁度よいぬる湯、絶え間なく注がれる源泉に、なんといっても横目に見える川と綺麗な緑(+若干の紅葉)!!
感触はややぬめり気味でこれまた心地よい感じで、一生入れるな―とか思いながらお湯を堪能していました。その日は特に天気も温度も絶好で、これ以上ないコンディションということもあり、今までの人生で間違いなく一番の温泉体験ができました。
自分はぬる湯が大好きで、かつ当たり前ですが景色の良い温泉も大好きです。
その点で祖谷温泉は自分が入った温泉の中で一番の泉温・環境だなと思っており、一番好きな温泉を聞かれたら間違いなく「祖谷温泉」と答えます。それほどまでに祖谷温泉は大好きな温泉で、全人類人生一度は訪れてほしいなと思う温泉です。
一緒に入浴していた海外の方も景色を堪能し、その後は目を瞑って(寝てた?)温泉を楽しんでいるご様子で、そこでいい温泉は万人に共通なのかも、と思った記憶があります。温泉の良さは、文字だけでは伝えきれないのがもどかしい...。
「和の宿 ホテル祖谷温泉」は日帰り1900円とリッチよりではありますが、ケーブルカー+露天風呂だけでも自分は安いなと感じてしまうくらいです(しかもそれにプラスして展望風呂「雲遊天空の湯」も入ることができます)。
最近ではケーブルカーのリニューアルや露天風呂付の客室風呂も出来たらしいので、みなさんもこの機会にぜひ!
後書き
ということで今回の記事はいかがだったでしょうか。
自分の最推しの温泉なので、調べれば調べるほど実際に訪れたくなってしまいました。
一軒宿で歴史が古い温泉というわけではないので、若干内容は薄くなってしまったかもしれませんが、その点はどうかご了承を...。
そういえば、3月10日に日本温泉名人認定試験を受けてきました。内容については深く言えませんが、めちゃくちゃ勉強になりました!特に温泉化学の授業は自分の大学の専門と近いところもあり、普通に聞き入ってしまいました。
試験結果は後日ということでした(受かっている自身はあります)が、意外と自前の知識が問われるものもあり、温泉についてのブログを書いていてよかったなと思うことも少々ありました。
講義中、「温泉の三大要素」について学習しました。温泉でいう三大要素はもちろん「湧出量・温度・成分」のことです。ただ、自分はもし温泉を楽しむうえで重要な要素を考えると、ここにプラスして「環境」も入れたいなとずっと思っています。
今回取り上げた祖谷温泉は、もちろん温泉も素晴らしいですが、ここに絶好のロケーションがあるからこそ魅力が何倍にもなり、自分の最推しの祖谷温泉になると思います。
もちろん自然の中だけではなく、施設の清潔感や歴史を感じる建造物もまた温泉の魅力を引き出す一つの要素ですよね。反対に、清潔感のない施設では(慣れてしまえば関係かもしてませんが)どうしたってリラックスできないように思います。
自分の好きな温泉を思い返すと、やはりどこも「環境」が良い温泉が上位にあるような...。まあでも温泉で魅力を感じるポイントは人それぞれだから面白いのもあります。
ここまで読んで下さった皆さんも一度振り返って見て、自分が温泉のどこに魅力を感じるか考えてみると面白いかもしれませんよ。ではでは~!