Ryu-suiの温泉紹介

長野県長野市在住の23歳学生、皆さんに伝えたい旅の思い出を記録しています

【群馬県】四万温泉

今回は温泉王国・群馬県四万温泉について紹介します!

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温泉データ

所在地 :群馬県中之条町

泉質  :ナトリウム・カルシウムー塩化物・硫酸塩泉、アルカリ性単純温泉

適応症 :塩化物泉・硫酸塩泉/きりきず.末梢循環障害.冷え性.うつ状態.皮膚乾燥症

源泉温度:26~83℃

PH   :平均7.7

総湧出量:毎分約3800L(自然湧出及び掘削自噴総湧出量)

その他 :国民保養温泉地、名湯百選、百名泉、日本三大胃腸病の名湯

施設  :温泉宿35件、共同浴場3件

概要

「四万の病を癒す霊泉」という名前の由来を持つ四万温泉

42本ある源泉のうち39本が自然湧出、掘削源泉の3本も100~300mと浅く、いつでも新鮮なままの湯のめぐみを私たちに届けてくれます。

四万温泉は昭和29年(1954年)、厚生省(現環境省)が国民保養温泉制度を制定した際に青森県酸ヶ湯(すかゆ)温泉・栃木県日光湯元温泉と共に第一号として選ばれました。

  

国民保養温泉地に選ばれるには、湧出量や温度など温泉の基準はもちろん、温泉地の環境など厳しい基準が設けられています。

今回はそんな、古くから“癒しの温泉地”として認められた四万温泉の魅力について紹介したいと思います。

温泉地の特徴

四万温泉は「日向見」「ゆずりは」「新湯」「山口」「温泉口」の5つの地区に分かれており、清流と名高い四万川に沿った横長の温泉地です。

足湯と無料の共同浴場は3か所ずつあり、日帰りで利用できる施設も多いので気軽に温泉を楽しむことができます。

また、温泉以外にもレトロな温泉街、歴史のあるお寺や美しい滝、川、湖などの周辺散策も魅力の一つ。ゆっくりと時間をとって四万温泉を楽しみたいですね。

四万温泉のお湯を一言で表せば「体の内外がととのうやさしい温泉」です。

宮城県峩々(がが)温泉・大分県湯平(ゆのひら)温泉と共に、胃腸病に効く「日本三大胃腸病の名湯」に選出されており、また上毛かるたでも「世のちり洗う四万温泉」と詠われています。

飲泉も有名で、昔から「飲めば胃腸によく、入浴すれば肌に良い」と言われているそう。

なお、便秘のときは温かいお湯を、お腹を壊しているときは冷ましたお湯を飲むと良いとも伝えられています。こちらも自分に合った楽しみ方を見つけてみましょう。

四万温泉の歴史

発見伝説から開湯まで

四万温泉の発見伝説は主に二つの有力な説があります。

一つは桓武天皇(737~806)の御代に、征夷大将軍坂上田村麻呂蝦夷征伐の際にこの地に入浴したという説。

もう一つは永延3年(989年)、源頼光の家臣である日向守碓氷貞光が、夢で童子から信託を受けたという説です。

(この辺りは四万温泉観光協会様が詳しくまとめてくださっていますので、詳細を知りたい方はこちらをどうぞ)

本格的に湯場として定着し始めたのは戦国時代と言われています。

現在の群馬県吾妻郡東吾妻町にあった岩櫃(いわびつ)城は永禄6年(1563年)、甲斐武田氏から攻撃を受けました。

岩櫃城の城主に仕えていた田村甚五郎という人物は、越後に逃れる城主を追っ手から防ぐために四万に留まることになりました。やがて甚五郎はそのまま四万に土着、そして山口地区に湯宿を始めたのが開湯のきっかけになりました。

なお、そのときにできた湯宿は、旅館として現役で運営されている「四万たむら」の前身であり、室町時代から現在まで今なお愛され続けています。 

四万たむら

江戸時代から現在まで

天和年間(1681年~1684年)には既に温泉経営が成立していたことが古文書によって分かっています。当時は個人の湯宿で温泉を独占したのではなく共同浴場に入浴していたそうです。

江戸時代後期には温泉へのアクセスの悪さにより一度廃れてしまいますが、1889年に県道が開通したことで人力車や馬車が通り入浴客が増加し、再度湯治場として賑わいを見せ始めました。

湯治のスタイルと言えば長逗留・半自炊ですが、時代を経るにしたがって湯治客は減少し短期宿泊型の観光客が増加します。それでも群馬県の代表的な温泉の中で、最後まで大勢の湯治客を受け入れたのは四万温泉でした。

覚えておきたい豆知識

四万温泉には前述の通り様々な効能で知られています。

ですがもう一つ、「草津の上がり湯」としての名前でも有名です。

草津の湯は昔から湯治場として賑わいましたが、一方で強烈な酸性度によって肌が荒れてしまう事もあったそうです。

そんな中、草津から江戸に帰る途中に位置する四万温泉の柔らかで優しい泉質は、酸性泉の肌の仕上げにまさに最適でした。

今でも草津の仕上げは四万温泉と言われることが多く、草津の温泉で刺激を受けて乾燥しがちな肌を柔らかく包み込み、しっとりつやつやにしてくれると評判です。

 

また四万温泉のシンボル的存在であり、群馬県重要文化財・国の登録有形文化財でもある「積善館本館」は、某有名ジブリ作品のモデルの一つとされ、写真を撮られる観光客が絶えません。

そして大正ロマン漂う積善館の「元禄の湯」もまた、多くの雑誌に取り上げられる有名な浴舎です。

実は蒸し風呂も併設されており、自分も初見でかなり驚いたのを覚えております。日帰り入浴も可能ですので、四万温泉に訪れた際はスルー厳禁です。

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訪れた感想

自分が初めて四万温泉に訪れたのは昨年3月。長野から万座、草津、四万、伊香保を巡る、二泊三日の弾丸ツアーで寄らせていただきました。

最初に魅力を感じたのは、自然と調和した四万の雰囲気でした。

四万の甌穴群や、奥四万湖の四万ブルーと言われる神秘的な湖面を見て、「こんな綺麗な自然に囲まれた中にある温泉は、極上の温泉に違いない!」と確信したのを覚えています。

美しすぎる四万ブルー「四万の甌穴群」 - 群馬の情報Webマガジン「ぐんまいん」 奥四万湖 神秘的なブルーの湖面やカヌーが楽しめる四万温泉の名所

そして案の定、日帰りで寄らせていただいた温泉にこころを奪われ、気づけば今に至るまで5回ほど訪れています。

(長野市からは2時間ちょい位で着くので実は結構近いのです)

 

四万温泉の中でも、自分はやまぐち館の「四万川の湯」が特別で大好きな温泉です。

優しいお湯に浸かりながら、すぐ隣で流れる四万川を眺めるという贅沢。

しかもぬる湯も併設されているため、上がるタイミングを見つけられなくなってしまいます…。

特に12月下旬、雪の降る中15時~翌10時の間ずっと「やまぐち館」の温泉に入っていたこともあります。あれは人生で一番贅沢な時間の過ごし方でした。

四万やまぐち館 四万川の湯

群馬県には沢山の有名な温泉があり、どの温泉に入るか迷ってしまうと思いますが、体にやさしく、自然の中でゆっくりと過ごしたい方にはぜひ四万温泉をお勧めします。

後書き

自分の経験上、四万温泉のお湯は「めっちゃ好き」派閥と「何も感じなかった…」派閥に大きく分かれるなと感じています。もちろん異論は全くありません。

ただ温泉好きな方なら、この温泉自分に合ってる!と感じた経験が必ずあると思います。(残念ながら、以前訪れて好きだった温泉も、次に訪れると「こんなんだっけ…?」と感じることもありますよね)。

その日の自分の状態や、天候、さらにはお湯の機嫌など、そのときそのときで感じ方が違うのはむしろ当たり前と言っていいかもしれません。

ですが、四万温泉は、自分がどんな時に訪れても最高のお湯で迎えてくれます。

「帰ってきたなぁ」と強く感じます。

今記事を書いていて、そんな温泉に出会えたことに感謝しないといけないなと思いました。

 

ちなみに今回記事を書くにあたり、群馬県で発行している温泉のパンフレットを沢山参考にさせて頂きました。

特に「温泉ハシゴ ~重ね湯のススメ~」というパンフレットはめちゃくちゃ面白いです!

代謝アップ、血行促進、美肌効果など目的に合わせた温泉の巡り方とその理由、さらには成分表の見方など基礎的な知識まで掲載してあります。

監修が温泉ビューティー研究家の石井宏子さんとのことで、このパンフレットは有料級、永久保存必須です!群馬県を訪れる方はぜひ!! 

温泉ハシゴ表紙画像 コース例画像

群馬県公式ホームページ観光魅力創出課様より