今回は世界で二つ、日本唯一の泉質を持つ日本最北の温泉郷・豊富温泉について!
目次
温泉データ
開湯 :1926年(大正14年)
泉質 :主に含よう素ーナトリウムー塩化物泉
源泉温度:約30~35℃
pH :約7.9
特徴
豊富温泉は北北海道に位置し、向かうだけでも一苦労な温泉...
それでも、実は現在でも全国各地から湯治で訪れる方が増加してる温泉地です。
その秘密は「奇跡の湯」とも呼ばれる希少な泉質にあります。
豊富温泉は世界で二つしかない、”石油や天然ガスと共に湧出する温泉”で、油分を含んでいるのが最大の特徴になります。
(もう一つの温泉は調べた感じアゼルバイジャン?にあるとのこと!)
その超・個性的な泉質から「油風呂」とも呼ばれるそうな...
肝心の油分が含まれることによるメリットとして、保湿・保温効果が高いと言われており、また乾癬やアトピーに対しては油分に含まれるタールが抗炎症作用を発揮すると言われています。
さらに弱アルカリ性、塩分、重曹、ホウ素、メタケイ酸、メタホウ酸、マグネシウム、植物由来の有機質のモール泉...などなど、皮膚疾患に悩む方や美肌目的に訪れる方にはこれ以上ない泉質をしています。
⇩以下、"豊富温泉 ミライノトウジ" に掲載される医師のコメントから抜粋⇩
「アトピーと乾癬患者にとって聖地とまで評される豊富温泉。日本最北端の豊富温泉には、かすかな石油臭をともなうモール泉がアトピーや乾癬を治してくれると話題になり、全国から多くの観光客と湯治客が訪れています。
これまで治療に頑張ってきたが改善に時間がかかり、大変な思いをされている患者さんに豊富温泉を奨めています。
(中略)
豊富温泉の優れた湯治効果は温泉6割、環境4割といわれるように、温泉以外のプラスアルファの部分が大きいことに感動します。きれいな空気や静けさはもとより、スタッフの皆様はじめ、町の人々、自治体全体の協力が相俟ってこの素敵な心温まる環境が醸成されています。
温泉で、普段から蓄積されたストレスを湯で洗い流して、のんびりと療養すれば、アトピーも乾癬も雲散霧消。世界にも類を見ない北の大地が誇る温泉、それが豊富温泉。心から感謝しております。」
豊富温泉では湯治専用の宿泊施設や健康相談員もおられるとのことで、改めて本当にすごい温泉だと実感します...。
歴史
ここからは歴史のお話、豊富温泉が出来た由来について。
1926年(大正14年)、石油を試掘した際に地下960mの地点から天然ガスと共に湧き出たのが原油の混ざった温泉でした。
(実はたまたま、前回の月岡温泉と全く同じ歴史を持っていました...)
昭和初期から当時の研究機関の調査で様々な適応症を持つことがわかっていましたが、その効果が広まったのは平成に入るころだったとか。
以降は全国的に”皮膚病によい!”と知られるようになり、2006年(平成18年)には「アトピーフォーラム in 豊富」開催 ( 以後毎年開催されるように! )。
現在では全国各地から皮膚疾患のための湯治で訪れる方が増加しています。
訪れた感想
自分が豊富温泉を訪れたのは昨年の9月頃。
初北海道で、一般道の車の速さに驚いたり鹿を轢きそうになったり...
なんやかんやあり、長時間のドライブの末!、豊富温泉・ニュー温泉閣ホテルに到着!
館内は共同のトイレや洗面所など、まるで自分が今住んでいる学生寮のような...
お宿について気づきましたが、めちゃくちゃ湯治を意識された館内だと思いました。
そして温泉ですが、まず戸を開けたときに感じる石油臭!
一瞬で対峙している温泉の独特さを感じました。
感触はべったり、ゆったりと重いような...これも初めての体験でした。
そしてめちゃくちゃ温まりやすい!
泉温自体は熱くなかったので、さすがの保温効果だなと...。
ゆっくりと時間をかけて入浴する、まさに湯治スタイルで楽しみたい温泉でした。
本当に日本唯一の泉質、豊富でしか味わえない素晴らしい温泉です。
そして食事ですが、こちらもめちゃくちゃ素晴らしい!
地元産の食材を意識されているようで、言語化できませんが旅館・ホテルで食べた食事で一番おいしかったという印象だけが残っています。
いつか本当に長期滞在したい...とまじで思ったすばらしい温泉地でした!!
ちなみに!
3月2日から3月8日にかけて、"全国温泉体験WEEK"なるものが東京で開催されるようで、そちらに豊富温泉が参加されるようです!
詳細はこちらのWebサイトより確認できますので、”豊富でしか味わえない”温泉に興味があれば!
後書き
ということで、今回の記事はいかがでしたでしょうか。
今回記事を書いていて思ったことは、温泉の"湯治文化”について。
そもそもはるか昔には、温泉旅行と言えば湯治のことだったそうな...。
(現在温泉の歴史について勉強中...)
現代人からすればそんな時間もない!とのことで、湯治スタイルの温泉旅行に行けば暇人扱いされそうですよね。またはおじさん臭いとか言われそう(言われたことある)。
しかし自分としては、湯治スタイルで何日間も滞在することでやっとわかる温泉の魅力も絶対あると思うわけでして...
例えば自分が前訪れた新潟県の栃尾又温泉は、それはもう温泉に浸かりながらみんな寝てましたからね!電波もない場所で温泉に入り続ける幸せは、まだまだ広まっていない温泉の素敵な魅力です。
最近は、新しい湯治の形の確立について、環境省で動きがあるようで...。
きっと、温泉好きにはそれぞれ色んなところで温泉の魅力を見出していることかと思いますので、これから現在の観光地としての”温泉”からどのように変化していくのか、どのように温泉の魅力を普及していくのかは、より注視して追っていくと面白そうだなと思っています。
以上!ここまで読んで下さり、どうもありがとうございました!