目次
温泉データ
泉質 :主に含硫黄ーナトリウムー塩化物・硫酸塩泉
pH :約8.0
源泉温度:約50℃
その他 :磐越三大美人湯
硫黄含有量全国2位(硫化水素イオン含有量全国1位)
自称「日本一まずい温泉」
概要
月岡温泉は「もっと美人になれる温泉」と銘打って紹介されることが多い温泉です。
その秘密は肌に良いとされる泉質にありますが、それはまた後程。
硫黄の香りに包まれる温泉街も魅力の一つで、新潟県で有名なアルコール類や干物、発酵食品の試飲・試食が出来るお店も。
特に夕暮れ時からは素敵なライトアップや、運が良ければ着物姿の芸妓さんにも会えるかもしれないとか...。
無料の足湯スポット「湯足美(ゆたび)」や源泉が飲める「源泉の杜」など、人それぞれの楽しみ方で特別な時間を過ごせる素晴らしい温泉地です。
そして何より、自称「日本一まずい温泉」という言葉も気になりますよね。
それでは、そんな月岡温泉の温泉の秘密について深堀していきたいと思います。
特徴
温泉の色
一番の特徴はなんといっても「温泉の色」でしょうか。
月岡温泉のお湯は綺麗なエメラルドグリーン色をしています。
その秘密は温泉に含まれる"硫黄成分"にあります。
温泉分析書に表記される硫黄成分には
"①硫化水素イオン"、"②チオ硫酸イオン"、"③遊離硫化水素"
の三つがありますが、そのうち①、②の成分が多いとエメラルドグリーンになりやすく、③の成分(いわゆるガス性の硫黄)が多いと乳白色になりやすいと言われています。
※厳密にいえば緑色は酸性の含鉄泉、白色は炭酸カルシウムが豊富の温泉にもみられるなど、硫黄成分だけで決まるものではないことに注意!
また、月岡温泉は"7つの顔をしている"とも言われます。
普段は写真のようなエメラルドグリーンですが、時期や気候によっては乳白色に変化したり...。なんて言いつつ、自分はまだ綺麗な緑色しか見たことないので、次に訪れるときには一日中浴槽を見張ってようと思います。
美肌によい成分とは
概要にもある通り、月岡温泉は「もっと美人になれる温泉」。
その理由は主に
"①硫黄成分"、"②pH"、"③塩化物イオン"
の三つにあります。一つ一つを掘り下げると時間がかかるので簡単に...
①硫黄成分
皮膚の角質の軟化・溶解、毛細血管の拡張作用(硫黄泉は水の浸透力の10倍!)
②pH (弱アルカリ性)
古い角質の新陳代謝を促進➡くすみをとったり、ツルツル肌に!
③塩化物イオン
塩分のコーティング作用➡肌の乾燥を防ぐ保湿剤の役割!
と、まあざっくりとこんな感じです。
特に月岡温泉は硫黄成分の含有量が全国2位で、①の効果は絶大!
個人的には硫黄泉でpHが8.0と高い温泉はそこそこ珍しいなとも感じますし、プラスして塩化物イオンも含まれている温泉は本当にレア!で肌にいい温泉だなと思います。
⇦ちなみに高血圧にも◎
歴史
ここからは少し歴史のお話、月岡温泉が見つかってからとその発展の経緯について。
開湯は大正4年と、歴史のある温泉と比べると比較的新しいですね。
その当時は、富国強兵を目指す日本がエネルギー確保のために、全国で油田掘削が進められていました。
そこで新潟県にも目を向けられることになります。このときできた油田には、新潟市の東山油田などがあります。
新発田市でも開発がすすめられ、何本もの採掘を行った結果...
でてきたのは温泉でした。
結局石油は掘り当てられず開発は断念されましたが、たまたま掘り当てた温泉に石油業者であった本間氏がせっかくならと湯小屋を建てました。
ここに、月岡温泉が誕生です...。
その後、大正時代から昭和時代にかけて源泉開発が進み旅館も見え始め、昭和時代後期のインフラ整備によって交通の便も向上し、今の月岡温泉へとつながります。
超個人的な感想ですが、よくあるめちゃくちゃな温泉発見伝説が残る温泉もいいですが、月岡温泉のような発見の経緯が現実的ではっきりしている温泉も、親近感を感じて素敵だなと思います(笑)。
訪れた感想
初めて自分が月岡温泉を訪れたのは昨年の6月頃、例にもれず大学をさぼっての訪問でした。
もともと「エメラルドグリーン」「全国二位の硫黄泉」そして「まずい」と噂の温泉に興味は深々でしたので、ものすごく楽しみでした。
まずお湯の感想ですが、めちゃくちゃツルツルする!
硫黄泉とPHの影響かと思いますが、綺麗な見た目にプラスして湯触りの良い、すばらしい温泉だと感じました。
続いて味の感想です。
先に申し上げますが、自分は温泉をかなり飲んでいるほうだと思います。
飲泉でだいたいの泉質を見分けられるくらいには訓練していますし、それゆえ美味しい温泉、まずい温泉にも触れてきていると思っていました。
その上で、月岡温泉が一番まずい温泉だと断言します...。
「まずい」にも種類があると思いますが、月岡温泉は特に「苦み」が強い印象で、これほどまでに人間の「苦い」という味覚にストレートにくるとは...
恐らくまずい原因は、「強い硫黄成分のあの腐卵臭の鼻にくる感じと、豊富なミネラルによる硬水感が合わさってるようで全然合わさってないためのもの」だと思います。
とはいえ、逆にここまで楽しい飲泉も初めてでした。
温泉をより身近なものだと感じるため、また飲泉の楽しさを味わう意味でも、みなさんも月岡温泉へ訪れたらぜひ飲泉を体験してみることをお勧めします!
後書き
ということで今回は月岡温泉について取り上げてみました。
久々の記事ですが、今回は特に読みやすさを意識し、詳細はそこそこ、するする読めるように、という意識をしてみました。
さて、後書きですが、今回は綺麗な温泉を取り上げたということで、温泉の色について少し思うことを...
温泉の色って...めちゃくちゃ重要ですよね!
自分は高校生まで東京にずっと住んでいて、その頃はたいして温泉に行ったことがなかったものですから、温泉は全部透明だと思っていました。
透明な温泉だと、初めのころは特別感を少し感じにくいというか...。
あの頃から月岡温泉のような綺麗な温泉があると知っていたら、もっと早く温泉に興味を持っていたような気もします。小並感溢れる感想ですが。
当然、現在は透明な温泉で大好きな場所も沢山あります。
でもそれはそれ、これはこれ。
自分はもし友人におすすめの温泉を聞かれたら、最初はインパクト重視で見た目のすごい温泉を紹介するようにしています。
一目で特別だと分かる温泉は、今でもめちゃくちゃわくわくしますよね。
個人的に見た目でインパクトの強かった温泉をあげるなら、
月岡温泉、白骨温泉、乳頭温泉(鶴の湯)、黄金崎不老ふ死温泉、別府の"血の池地獄"と"海地獄"はとりあえず候補として...
あまり有名ではありませんが、別府の「ホテル鉄輪」さんの温泉は、自分が無知だったこともありますが、急に綺麗な水色の温泉が出てきたもので、印象は一番残っています(鉄輪エリアって、他にもあんなに綺麗な温泉ってあるんでしょうか..).。
ここでネタバレしてしまうのもつまらないので、気になる方はぜひ調べてみてください。
それでは今回はこの辺で!ここまで読んで下さりありがとうございました!